【夏の酒蔵】毎年恒例の「のみきり」貯蔵された酒を”きく”ということ(2021.08)

西堀酒造 仕込み蔵 貯蔵タンクの様子

夏のこの時期、古くなった箇所の修繕もひと段落し、蔵の中はしんとしています。蔵内には、密閉された貯蔵用のタンクが立ち並びます。タンク内では出荷時期を待ちながら、静かに熟成を進める清酒が。

先日、当蔵では貯蔵された清酒の品質を確かめる、「のみきり(呑切り)」が行われました。

この記事では、のみきりについてご紹介できればと思います。

 

◇目次◇

◆のみきり(呑切り)とは?
◆のみきりが行われる理由
◆のみきりは、どのように行われるのか
◆おわりに

◆のみきりとは

のみきりとは、主にタンク貯蔵されている清酒の利き酒や成分分析を通して、酒の香味や熟成度合いを判断することを言います。

貯蔵酒の酒質や熟度から出荷時期を判断するとともに、火落ちを早期発見するなどの目的のもと、行われる作業です。

毎年6月~8月頃、酒蔵では、その年初めてののみきりが行われます。これを「初呑切り」と呼びます。
以降は、適宜のみきりが行われていきます。

◆のみきりが行われる理由

冬場にまとめて製造される清酒ですが、搾った後は、タンクや瓶に詰めた形で出荷される時を待つことになります。
その間、火落ち菌(乳酸菌の一種)からの汚染を防いだり、タンクごと熟度の進み方を確かめたりする必要があるのです。

火落ち(火落ち菌に汚染されること)は未然に防ぐことはもちろんですが、早期発見が欠かせません。
火落ちした酒は、白濁したり酸味が増したりして劣化してしまいます。
定期的に品質を調査することで、こうした事態をできる限り避けることができます。

また、貯蔵されている清酒によって、熟成速度は異なります。

清酒の品質は、蔵内においては、特に気温からの影響が大きく、
酒に含まれる成分や搾った時期が個々のタンクで異なるため、早く熟成する酒もあれば、若さを残す酒も。

実際に製造所内で利き酒をし、人の嗅覚と味覚で酒質を判断することで、
最適な出荷時期を見定めていきます。

◆のみきりはどのように行われるのか

5勺のお猪口

のみきり当日は、タンクから、5勺(10勺=1合)のお猪口に酒をとって、
色味や香り、味わいを調べます。

あらかじめ、アルコール度数や日本酒度の値等も知っている状態での利き酒です。

今年の「初呑切り」を一部ご紹介します。

  • タンク貯蔵から2種(精米歩合55%の純米吟醸酒と、精米歩合78%の普通酒)
  • 市販用に瓶詰されたものから1種(精米歩合55%の純米吟醸酒)

熟成が進んだ清酒は、独特な香りと色味を持ちます。五感を使って、酒の状態を調べていくことになります。

◆おわりに

夏場、蔵内の気温は外気に比べてやや低く保たれているのですが、巨大なタンクに貯蔵された清酒の品温管理には、難しさが伴います。

近年、夏季には高温が続くことも多く、酒質への影響を考慮して、当蔵では貯蔵管理がしやすいよう搾った酒をいち早く瓶詰できる体制を心がけています。

タンクに貯蔵されていた清酒は、今後、割水(わりみず:加水処理のこと)を経て市販用の規格に合わせられた後、様々な瓶に充填されていきます。

お客様のお手元にお届けできる日は、まだまだ先になりますが、1人でも多くの方に美味しさと日本酒の魅力をお伝えできればと願うばかりです。

西堀酒造 瓶詰ラインと瓶詰された清酒の様子

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