いつまで飲めるのか?日本酒の賞味期限と長持ちさせる保存方法
最近、日本酒をいただいたけれど、すぐに飲まないとだめになってしまうのだろうか。
このような疑問を感じたことはありませんか?
多くの食品や飲料には、賞味期限が表示されています。
しかし、日本酒ラベルのどこを探しても、それらしい日付はありません。
日本酒に賞味期限はないのでしょうか。
いえいえ、時間が経てば、日本酒だって味が変わります。
せっかくなら、おいしいまま長持ちさせたいですよね。
今回は、そんな日本酒の賞味期限についてお伝えできればと思います。
◆目次◆
1.日本酒の賞味期限はいつ?
1-1.そもそも賞味期限や消費期限があるのか
1-2.「酒蔵が意図する味」を楽しめる期間とは
・未開封 生酒タイプ
・未開封 火入れタイプ
・開封済みの日本酒
2.製造年月について
3.日本酒の適切な保存方法
4.賞味期限切れ?古いお酒は飲めないのか
4-1.熟成酒というお酒
4-2.「賞味期限」切れ/開封済みの日本酒の使い方
5.まとめ
1.日本酒の賞味期限はいつ?
1-1.そもそも賞味期限や消費期限があるのか
法律上、日本酒に賞味期限や消費期限はありません。長期にわたる保管にも耐え得ることから、日本酒は賞味期限・消費期限の表示を免除されています。(食品表示基準第3条3項)
日本酒は腐らないのかと疑問を感じるかもしれませんが、アルコール度数が高いために、多くの雑菌は、お酒の中では繁殖できないのです。
また、味わいについてですが、日本酒は非常に繊細で、瓶に詰めた後も風味を変え続けます。
同じお酒でも、冬場にしぼったばかりの新酒であれば荒々しさを残しますが、夏を過ぎた頃になると、丸みのある味わいになります。
こうした風味の移り変わりを感じられるところが、日本酒の魅力のひとつです。
1-2.「酒蔵が意図する味」を楽しむ
とはいえ、出荷された時の味を楽しみたいという時もありますよね。
いわば「酒蔵が意図する味」で、日本酒を味わうためには、いつ頃を目安とすればよいのでしょうか。
ここでは、日本酒の種類ごとに酒質が維持される目安を見てみましょう。
・未開封 生酒タイプ
メーカーによっても異なりますが、生酒は品質の維持が難しく、ご家庭の冷蔵庫で、未開封のまま保存していただいた場合でも、製造年月から1か月~3か月程度が目安となります。
特に、発泡性のある生酒は、お酒中の酵母が発酵を進めていき、味わいが変化しやすいので、お早めに召し上がっていただくことをおすすめします。
・未開封 火入れタイプ
製造工程の中で、「火入れ」と呼ばれる加熱処理を行ったお酒は、日持ちが良くなります。また、冷蔵庫ではなくても、日光を避けて涼しい所で保管していただくことができます。
火入れをすることで、日本酒に含まれる「酵素」が働かなくなるため、品質が維持されやすくなるのです。
「酒蔵から出荷された時の味」が楽しめるのは、未開封のまま保存した場合で、製造年月からおおよそ6か月~10か月程度です。
生酒タイプの日本酒は、名前に「生」と付いていたり、シールで「生酒」と表示されていたりします。火入タイプには特に記載がありませんが、「生」と書いてあるかないかで区別することができます。
・開封した日本酒の場合
すでに開栓済みの場合は、生酒、火入れを問わず、お早めに召し上がっていただくことをおすすめします。
一度開栓してしまうと、お酒が空気に触れて徐々に酸化が進み始め、品質も変化していきます。
1週間~2週間程度で飲み切れると、さほど風味の変質もなくお楽しみいただけます。
2.製造年月について
お酒の新しさ、古さを考えるひとつのヒントが、ラベルに記載された製造年月です。
この日付は、製品が瓶詰された時もしくは出荷された時を表しています。
お酒をしぼった時とは異なるので注意が必要です。
製造年月から数えて、どのくらい経っているのかをみてみると、そのお酒の保存期間を知ることができます。
3.日本酒の適切な保存方法
日本酒を劣化させず、長持ちさせるためには適切な保存が欠かせません。
日本酒の品質を変化させる主な要因としては、次の3つが挙げられます。
-
光(特に日光)
-
気温
-
酸化
日本酒を保管する際は、できるだけ光を避け、冷蔵庫に入れるなど低温を保つことが大切です。新聞紙を巻き、光を避けると効果的です。
また、先述の通り、一度開栓してしまうと酸素に触れ、徐々に酸化が始まります。
お酒のサーバーの中には、ガスを利用して酸化防止対策をしながら提供できる仕組みになっているものもあるくらいです。
ご家庭で召し上がる際は、栓を切ったら、1~2週間を目途になるべく早めに飲み切ってしまいましょう。
4.賞味期限切れ?古いお酒は飲めないのか
4-1.熟成酒というお酒
むしろ、時間を置くことで楽しめる味わいもあります。
とろりとした口当たりや、独特の香りは、ある程度時間をおいてからでないと生まれません。
「熟成酒」と呼ばれるお酒があるように、適切な保管を続けることで、日本酒の熟成が進み、しぼりたてのお酒とは、一味違った美味しさを楽しむこともできるのです。
4-2.「賞味期限」切れ/開封済の日本酒の使い方
ただ、開栓したまま長期間が経過してしまったり、冷蔵庫外に置いたまま飲みづらくなってしまったりしたお酒もあると思います。
日本酒は、料理酒としてもお使いいただけます。古くなってしまったお酒は、煮物などの隠し味に使っていただくのがおすすめです。
5.まとめ
種類によっても、おいしく飲める期間が異なる日本酒。
特にネットショップでの購入時は、生酒と火入の違いに注意していただくと、贈り物にお酒を使う際など、商品を選びやすくなるかと思います。
また最近では、飲み切りサイズの小さな瓶で日本酒を購入することもできます。一度に少しずつ楽しみたいという方には、小瓶タイプがおすすめです。
あえて、じっくり熟成させたお酒を飲んでみるというのも、楽しみ方の一つですね。
適切に保管をしていただくことで、美味しさを閉じ込めながら、じっくりと日本酒をお楽しみいただけるかと思います。日本酒をご購入の際は、ぜひお試しください。
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