酒蔵がウォッカを造る話vol.1

西堀酒造の新しい挑戦。

夢日光 ウォッカ NIKKO DREAM VODKA」は、「日光街道 小山蒸溜所」の新しいスピリッツ(蒸留酒)です。

コンセプトは、”酒蔵が造る国産クラフト・ウォッカ”。

今回は「夢日光」にまつわるお話を六代目蔵元 西堀哲也専務から伺いました。

ぜひ最後までご覧ください。

◇目次◇

1.「夢日光 ウォッカ NIKKO DREAM VODKA」とは

2.西堀酒造が造るウォッカ

3.ウォッカ造りについて

4.おわりに

1.「夢日光 ウォッカ NIKKO DREAM VODKA」とは

「夢日光」は令和4年8月にリリースされました。酒蔵ならではの造りを取り入れたクラフト・ウォッカです。

西堀酒造では明治5年の創業以来、栃木県南部地方に蔵を構え伝統的な日本酒造りを続けて参りました。

日光街道沿いに蒸留所が誕生したのは、令和4年のこと。

今後、長きにわたり受け継いだ酒造りの技術を活かし、次のステージへ進むための新たな製造所として「日光街道 小山蒸溜所」を開設するに至りました。

蒸溜所からお届けする最初のお酒が「夢日光」です。

▶商品詳細はこちらからご覧ください。

今回お話を伺ったのは、六代目蔵元の西堀哲也専務です。蒸溜所事業全般について自ら中心となり推進しています。

2.西堀酒造が造るウォッカ

質問者▶

ウォッカと言えば、ロシア・東欧の度数が高いお酒というイメージがありますが、ポピュラーなカクテルにはベースとしてウォッカがよく使われています。
お店でカクテルとして楽しんだことがあるという方も多いかもしれません。

日本酒蔵がウォッカを造るケースは、これまでにもありましたが、西堀酒造「日光街道 小山蒸溜所」が製造する、酒蔵ならではの国産ウォッカには、どのような特徴がありますか?

専務▶

本商品については、最も大きな特徴は、原料に「日本酒の大吟醸」を使用しているという点があります。

米由来の丸みのある味わいと、透明感のある甘みが特徴的なウォッカです。

日本酒の仕込み水と同じ、蔵の井戸から湧き出す日光山系の自然伏流水を仕込み水とし、白樺の炭で濾過しています。

普通酒でもなく純米吟醸でもなく、敢えて「大吟醸」という贅沢な日本酒を使用した理由としては、やはり「日本酒蔵ならではの蒸留酒」ということを強調したかったからです。

「大吟醸」とは、特定の条件を満たす日本酒に、特別に与えられた名称です。一般的に、高級でハイクラスなお酒というイメージが浸透していると思います。

醸造面から見ても、最も手のかかるお酒である場合が多く、業界内の由緒ある鑑評会でも選りすぐりの「大吟醸」が並びます。

「夢日光」では、自社製造の大吟醸を使用した造りを採用しました。

3.ウォッカ造りについて

そもそもウォッカとはどのようなお酒なのでしょうか。以下、国税庁のHPからウォッカの説明を引用してみます。

ウォッカは、主に穀物を原料として糖化、発酵させ、連続式蒸留機で蒸留した後、シラカバの活性炭でろ過したものをいいます。

※国税庁HP「その他のお酒に関するもの」より(https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/abc/abc-other.htm)

日本の穀物と言えば、お米。国産ウォッカの中には、お米を原料とした商品が目につきます。

また、ウォッカの酒質については、以下のように説明されています。

ウォッカは無味、無臭でクセのない酒質であることから、日本国内においてもカクテルや缶チューハイの原料として多く使われています。

※国税庁HP「その他のお酒に関するもの」より(https://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/sake/abc/abc-other.htm)

さて、日本酒を使用したウォッカ「夢日光」ですが、実際の製造はどのように行われたのでしょうか。

質問者▶

ウォッカ造りで苦労した点、印象的だった点はありますか?

専務▶

穀類を使用する蒸留酒の原料には、米粉を使用していますが、単に米粉を発酵させて蒸留したライス・ウォッカだけでは、酒蔵の個性がでないのではないかと感じました。

そこで、日本酒の大吟醸を原料に使用するというアイデアを思いつきました。

しかし、「」が語源でもあるウォッカとは本来、白樺の炭で濾過することから分かるように、無味無臭に近いクリアな味がその本義です。

したがって、大吟醸の香りが強すぎても、味が有りすぎてもダメです。

飲み比べたとき、違いがはっきり分かることは重要ですが、いかにその繊細な特徴を引き出すか

製造方法を検討する上で、ここが一番苦労しました。

「大吟醸」は、華やかな香りを特徴とします。また、日本酒であるからには酒米や発酵由来の味わいを持つものです。

大吟醸を使ったウォッカは国内でも珍しく、類を見ない試みとなりました。

4.おわりに

さて、ここまで「夢日光」にまつわるお話をご紹介して参りましたが、いかがでしたでしょうか。

続くvol.2ではお酒業界の話なども交えつつ、ウォッカや蒸留所について掲載していきたいと思います。

ぜひお楽しみに!

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